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ある保育所で「子どもがブランコチェーンに指を挟み込んで困る」との相談を受けました。

チェーンはロックチェーンで、フシの部分に布などを巻き付けて、挟み込み防止対策を施されていました。

職員の方々の工夫と手作りです。

swing chains01

点検したところ、吊り金具の回転軸が厚塗り塗装で固着しており、チェーンの摩耗、座板の劣化も著しいと判断し、揺動部交換を市役所へ提案して了解を得ました。

pivot_point

交換となっても、保育所の所長さんは、チェーンの指挟み込みを心配されていました。

リングチェーンのコマの隙間がくびれているグリップチェーンであれば、指を挟みにくいのですが、残念ながら予算オーバーです。

そこで、通常のリングチェーンにロープを編み込む方法を提案してみました。

swing_chains03

ロープの素材は、なるべく軽く、水を吸いにくく、耐候性があるものを選定した結果、ポリエチレンロープを採用しました。

チェーンの隙間は約11mm。

直径9mmのロープで編んでみたら、隙間は無くなるのですが、全体的にやや太くなってしまい、幼児の手では握りにくいようです。

直径6mmのロープに代えて編んで、隙間は5mm程度。

これならチェーンの隙間に指を挟むことはなく、握り心地も悪くないはずです。

swing_chains02
swing_chains04


果たして子どもたちは喜んでくれるのでしょうか。

いや、指を挟まなければ良いのです。
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2011.04.12 Tue l 遊具事故 l コメント (0) トラックバック (0) l top
マンション敷地内公園の複合遊具が傾いているとの相談を受けました。

10度から13度も傾いているとのことです。

「遊具の傾きと危険性」に関する公的文書としては、国土交通省が平成20年8月に発表した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂版)」の中で触れています。

遊具の維持管理に係わる説明の頁で、■参考(日常点検の着眼点の例)として、「傾き」も遊具の異常のひとつと扱われています。

この指針は、平成14年に発表された指針の改訂版ですが、初版発表後の平成16年4月には、国土交通省住宅局を通じて、マンション敷地内の遊具の安全確保を呼びかけるために、マンション管理組合へ周知するよう通達を出しています。

初版の時点で「傾き」について触れられているので、マンション管理組合は、本来なら知っているべき事項となります。

但し、国交省指針には「何度以上傾いたら危険」などの記述がなく、また、どのような危険があるかなどの具体的な記述が残念ながらありません。

これは、遊具の形状により許されるであろう傾きの限度や、それに伴う危険の種類が異なるためです。

支柱が多数あるジャングルジムなどは、多少の傾きがあっても倒壊の恐れは少ないです。

まれに1本柱から梁が両側に2本出ているブランコがありますが、このようなタイプは倒壊の恐れがあると考えたほうが良いでしょう。

危険な傾きになっているかどうかは、実際に点検してみなければ判断しかねます。



ところで傾きは、いつ起きたのでしょうか。

新設時に傾いて据え付けたのか、経年変化で傾いてしまったのか、ということです。

まず、遊具を新しく設置する時に、傾けて設置することは、ほとんどあり得ません。

施工業者は垂直水平を必ず守ります。

また、完成時の竣工検査で垂直水平を確認します。

10~13度の傾きともなれば、専門家でなくとも誰しも気付くはずです。

おそらく経年変化で傾いたことでしょう。



傾きによる危険性は、遊具が傾いた原因によっても異なります。

遊具全体が変形せず、回転するように傾いている場合は、基礎が不同沈下しています。

decay_mechanism01


この場合、遊具に無理な力が掛かっている可能性が高いため、部品と部品の接合部やボルト周りにヒビや亀裂が生じやすくなります。

使用しているうちに思わぬ箇所が折れたり割れたりする可能性があります。

基礎コンクリートを削って、遊具を基礎から一度、離脱させて、水平にしてから、再度、基礎と付着させるなどの、大掛かりな方法で修繕することになります。



他の傾き方としては、柱が傾いて遊具全体がひしゃげるように、平行四辺形状に傾く場合があります。

decay_mechanism02


これは、接合部の緩みが原因です。

このような場合には、力を込めて遊具全体を押したり引いたりしてみると、揺れたりきしんだりします。

このまま使用し続ければ、倒壊の危険があります。

接合部ボルトの締め直しや、部品交換による修繕をすべきです。



まれに、移設などによって、遊具の変形や傾きが生じる場合があります。

学校の統廃合などに伴う遊具の移設工事で、クレーンで吊り上げるときに、自重に耐えきれずに変形することがあります。



ところで、日本建築学会から出版されている「小規模建築物基礎設計の手引き」では、木造建築物の不同沈下障害について、以下のように定めています。

傾斜1/1000:モルタル外壁・コンクリート犬走りに亀裂が発生する。

傾斜3/1000:つか立て床の不陸を生じ、布基礎・土間コンクリートに亀裂が入る。

傾斜5/1000:壁と柱の間に隙間が生じ、壁やタイルに亀裂が入る。窓・額縁や出入口枠の接合部に隙間が生じ、犬走りやブロック塀など外部構造に被害が生じる。

傾斜10/1000:柱が傾き、建具の開閉が不良となる。床が傾斜して支障を生じる。

傾斜15/1000:柱の傾斜が著しく倒壊の危険がある。床の傾斜もひどく使用困難である。



本来、健全な生活のために床、壁、天井などの水平垂直が守られていなければならない建物の観点からは、傾斜15/1000になると「使用困難」と判断します。

傾斜15/1000とは、わずか0.86度の傾きです。

遊具は住居でないとは言え、利用者である子どもたちにとっては生活空間の一部ですから、倒壊しないまでも、健全に保たれるべき施設です。

10~13度の傾きは、異常事態です。

遊具の床板が10度以上も傾いているとなると、利用時に思わぬ転倒を招きます。



「遊具の傾き」は、利用上の危険を伴うと同時に、倒壊へ向かう注意信号と見なして下さい。

強風や地震、集中豪雨などで急激に状況が悪化する場合があります。

早期の修繕をお奨めします。

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2010.08.01 Sun l 遊具事故 l コメント (0) トラックバック (0) l top
このところ2連シーソーの是非について質問が続いたので、考え方を整理してみます。

質問内容は主として下記の2点です。

①2連シーソーの板と板との間隔は、何cm以上必要ですか?

②上記が守れていない場合、いつまでに処置が必要ですか?

結論としては、「2連シーソーは、危険性のある遊具なので、なるべく早期の対策が必要」です。

現行の基準では、「2連シーソーは禁止」と書いてないのですが、遊具ごとに個別の「安全領域」を確保することが示されています。

基準値を守るなら、2連シーソーの板と板との間隔は、板が斜めになったときの最大高さが60cm以下の場合は1.5m以上、最大高さが60cmを超える場合は2.7m以上です。

seesaw


実用的な数値ではありません。

結果として2連シーソーは基準上、成立し難いものとなっています。

改修については、「遊具の安全が確保されるよう適切な対策を講ずるものとする。」とありますが、「いつまでに」と言う指示はありません。

ここで引用した基準とは、国土交通省の「指針」と、遊具メーカー団体の「規準」です。

公的な基準としては、2008年8月に国土交通省から「都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂版)」が発表されており、これが我が国唯一の公的基準です。

同指針の中で紹介されているJPFA-S:2008という基準は、遊具メーカー団体である日本公園施設業協会が発行している規準です。海外の基準などを研究し、さらに遊具メーカーならではのノウハウで作り上げられた非常によくできた基準です。

国交省からは「指針」として通知されており、守らなかった場合の罰則規定はなく、また残念ながら法律ではないので、法的拘束力がありません。民間団体の規準についても同様です。

但し、都市公園法施行令第7条で「公園施設は、安全上及び衛生上必要な構造を有するものとしなければならない。」とあり、危険を承知で放置すると、この法律に抵触します。

また、遊具事故が発生した場合には、管理責任を問われます。

自治体が管理する公園であれば担当課職員が、幼稚園であれば園長先生が、団地内の遊具であれば管理組合理事長が、安全管理についての責任を追及される可能性があります。

対応策としては、定期的な遊具の点検を実施し、「危険度の判定」に基づき修繕計画を立て、その危険度の優先順位に沿って、予算が確保された順番に修繕を実施して行くことが望まれます。

このときに重要なのが「危険度の判定に基づく修繕計画」であり、必ずしも「劣化度の判定」だけではないと言うことです。

劣化に対応した修繕は、現況復旧なので判りやすいのですが、基準を満たすための修繕、つまり「改良」は、基準を正しく理解していないと難しい作業になります。

シーソーやブランコ、回転ジャングルジム、古くは箱ブランコや遊動円木、回旋塔など、動きを伴う遊具は、死亡事故や指の切断、骨折などの大事故に繋がりやすいので、修繕は最優先です。

2連シーソーの具体的な対策としては、2連ある板の片側を撤去して、残る板を梁の中央に移設する方法などがありますが、出来るかどうかは構造や老朽度にもよります。

実際に、対象となるシーソーの状況を見て、最善の改良方法を検討する必要があります。

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2010.07.25 Sun l 遊具事故 l コメント (1) トラックバック (0) l top
都内の公園で、遊具を修繕しました。

ロッキング遊具です。

ラクダに似たFRP製ボディをリンク機構で支える独特な遊具で、子どもたちに大人気です。

実は私も、この遊具のファンなので、「遊具修繕」の大義名分で分解させてもらえるのは感激でした。

ボディを外すと、見事な構造の登場です。

rocking_horse01



まるで、「小さくて力強いブランコ」でしょうか。

設置されてから18年も経っているとは思えません。

rocking_horse02



昔は「遊動円木」や「回旋塔」といったダイナミックな動きを楽しむ遊具が数多くありましたが、「箱ブランコ」同様に、ほとんど見かけることはなくなりました。

地球儀のように回転する「グローブジャングル」も、姿を消しつつあります。

これらの遊具は、事故が発生した場合に、重傷を負う可能性が高いという理由で、撤去されるケースが多いです。

共通するのは、単に「動きがある」だけでなく「複数の子どもで動かす」という点です。

みんなで力を合わせれば、楽しさは倍増します。

このときに、物理的エネルギーも倍増しています。

とても重い遊具の本体が、加速度を持って、子どもたちを振り回します。

振り回される子どもたちは大喜びです。

遊びの4大要素の一つ、「めまい感」を感じるのです。

いま、公園遊具で「めまい感」を得られるのはブランコぐらいしか無くなってきています。

ブランコは一人乗りですが、子どもたちは楽しさを倍増させるために二人や三人で乗ろうとします。

みんなで乗れる遊具が少なくなってしまったというわけではなく、子どもたちは遊びの天才なので、楽しむ方法はすぐに発明できるのです。

遊び方のルールは守って欲しいですが。

そんな中、4人乗りのロッキング遊具は、みんなで力を合わせることができる数少ない遊具です。

ちなみに、このロッキング遊具の後継機種は3人乗りに改良され、より安全性が高められているそうです。

単純で明解な構造ながら、経年劣化もほとんどなく、なんと言っても「複数の子どもを魅了する」素敵な構造です。

点検や修繕だけでなく、新しい遊具の開発も夢見てしまいます。

いや、是非とも作ってあげたいですね。

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2010.07.19 Mon l 遊具事故 l コメント (1) トラックバック (0) l top
茨城県常総市の「きぬ総合公園」で大型遊具の点検を実施しました。

ザイルクライミングです。

大型遊具


点検では、合成繊維被覆のワイヤーロープの摩耗や、ロープとロープを繋ぐ金具などの状況を、全箇所にわたって確認します。

頂上に登って、支柱に繰り返しの揺れを与え、ザイルクライミング全体を揺らしてみて、異音やきしみなどの確認もします。

もちろん、遊具の安全に関する基準を全てクリアするようにチェックします。

支柱の基部と、四隅のアンカー部は、基礎が確認できる深さまで掘り起こして確認です。

特に支柱の基礎はタタミ2畳ほどの大型コンクリート基礎です。

精密点検


支柱基部については、精密点検を行いました。

超音波厚さ計を用いた非破壊検査です。

センサーを支柱の基部に当てて、鋼管の肉厚を測定します。

超音波厚さ計


大型遊具の点検は、登って降りて、揺らして、穴を掘って、と、全身運動です。

さらに、落ち着いて、精密計測機による測定もやります。

これで、やっと安全を確認することができました。

けっして目視だけでは許しません。
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2010.03.05 Fri l 遊具事故 l コメント (0) トラックバック (0) l top
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